ゾウになる夢を見る

ぴったりくる言葉をさがすためのブログ。日々考えたこと、好きなこと。映画や本の話もしたい。

ココアな気分

ときどき、ココアを飲みたいな、と思う。
意外にも冬だけじゃなくて、夏の暑い時にもそう思うことがある。何か甘いものを口にしたいけど、何かお茶と一緒に食べたいというほどでもなくて、どうせなら甘い飲み物で、という時なのかもしれない。

 封を切った森永のミルクココアが戸棚にある。季節を問わず、というか、そんなに「ココアが飲みたいな」がやってこないので、一度封を切ってもなかなかなくならないのだ。それでも、一袋飲み終わるとまた次を買ってしまう。

子どもの頃は、ココアというのは面倒な飲み物だった。
お湯か牛乳で溶かせばいいだけとは言え、その「溶かせばいい」が溶けにくいので、いずれの飲み方にしても結局お湯がいった。
特に「ミルク」ココアと銘打っていても、ちゃんとミルクで作った濃くて甘ったるいものがよかったので、一度お湯で粉を溶かしておいてからそそがなくてはいけなかった。同じようなものとしてはミロの方が溶け残ってもそれはそれでクッキーのチョコチップみたいなおいしさがあって、手軽でいいなと思っていた。

ところがいつからか、「水で溶ける」となっていなくてもココアの粉は溶けやすくなった。おまけに、牛乳で作りたいとも思わなくなった。ただでさえ甘いので、ほどほどの甘さでさっぱりいただきたい。
余裕がある時はすべてお湯で作る。
でもたいていの面倒な時は、少量の水で粉を練っておいて、少しずつ水を足してすべてを溶かす。全体像ができあがってから、レンジでチンすればいい。なんとも簡単。

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スプーンに山盛り3杯で、粉を練ってから作れば、ちゃんとした濃さで牛乳入りほど甘くなくておいしい。
以前は飲み終わってココアの跡が残ったカップを洗うのも面倒だったけど、今はかりかりにこびりついていても、そのまま食洗器に放り込めばいい。これまた、なんとも簡単。

ココアをお店で飲むことはまずないけれど、本物というのはもっとおいしいもので、もっと頻繁に「ココアな気分」にさせてくれるのだろうか。
今のところ比較対象は、よく買い物にいくスーパーのジョージアの自販機で、いかにも「淹れたてですよ」という風を見せてくれて、安いながらココアらしい風味を堪能させてくれる。
でも、粉をよくよく練って自分で淹れたものとそう変わらない気もする。自分で淹れたんじゃないところがおいしいのかな。

 

特別好きというわけではないのだけど、ココアを飲むのと普通のお茶を飲むのとでは、やっぱり気分が違う。
ココアはどこか子どもっぽい飲み物で、あえてそれを選んで飲んでいるのだという感じがある。砂糖入りでないココアを淹れてみるのもよさそうだけど、このチープ感こそが「ココアな気分」のような気もする。

 

飲み終えたカップをのぞき込んでみると、ココアのラインが地層のようにいくつも見えた。一番上のラインはくっきりと濃く、下の方にいくほど薄くなっている。一番目と二番目のラインの感覚が一番短い。熱くて少ししか飲めないのかもしれない。あとは不思議と等間隔。一口が大体同じで、ラインが残る程度に感覚をあけて飲んでいるんだな。
カップの底に近づくとラインが薄くなるのは、冷めないうちに飲んでしまいたいからかもしれない。

ココアに代わる飲み物って何かあるだろうか。ホットチョコレート?でも、手軽と言うほどまだメジャーじゃない気がする。
今のところ、ココアな気分にはココアしかない。