ゾウになる夢を見る

ぴったりくる言葉をさがすためのブログ。日々考えたこと、好きなこと。映画や本の話もしたい。

たこ焼きの歴史に関する一推測

冷凍のたこ焼きを食べながら、なぜたこ焼きは球形なのか、が気になった。
だって、成分的にはお好み焼きと同じでしょう?
あ、たこ焼きにはキャベツが入ってない!と思ったけど、パッケージには「国産キャベツ100%!!」とでかでかと書いてある。
じゃあ、タコが入っているかいないか、球形か平べったいかの違いしかない…?

大阪とも広島とも東京(もんじゃ?)とも縁もゆかりもない身としては、たこ焼きとお好み焼きは大阪の名物だと思っている。
大阪でそのどちらも食べたことはないし、そもそも修学旅行のUSJを除けば、大阪には一度しか行ったことがないという衝撃の事実に最近気づいた。(京都には10回以上行っている気がするのに。)
そんな大阪に来週末行く予定なので、自由な時間があれば是非とも自分で焼くタイプのたこ焼きを食べてみたいと思っている。
そしたら、余計気になるじゃない?なんでお好み焼きがあるのにたこ焼きもあって、たこ焼きは球形をしているのか。

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そこで、ちょっと考えてみることにした。
調べれば出てくるのかもしれないけど、それじゃあおもしろくないなと思って。
 

 

仮説1.たこ焼き後続説

まず考えたのは、たこ焼きとお好み焼き、どちらが先に生まれたのかということ。
ちなみに、前提としてたこ焼きもお好み焼きも大阪発祥のもの、もしくは同時多発的に各地で広まったけど(ついでに戦後発祥説を勝手に作って、それも前提としてみる)、特に大阪で爆発的に人気が出たということにしておく。

わたしが思うに、先に生まれたのはお好み焼きで、少し遅れてたこ焼きが出てきた。
なぜかというと、お好み焼きの方が大きくて、定まった形というのを持たないから。
いやいや、お好み焼きは個体だし、定形でしょう!と思われるかもしれない。

でも、よく考えてほしい。
お好み焼きは平らな鉄板の上で焼かれるのであって、それ以前は粘度のある液体なわけだし、焼く時の型のようなものは存在しない。(もしかしたら、きれいな円形で焼いて出てくるお店は型を使ってる?)
基本的に、どんな形になるかは焼く者の技量にかかっている。

定形でない利点は、色々な応用が利くことだと思う。
具をたくさん入れたボリューミーなお好み焼きにもできるし、早く焼き上げたい場合には厚みを出すよりも面積を出して対応すればいい。
小さくたくさん焼いて、パンケーキみたいに重ねることもできる。
とにかく、自由自在だ。

ただ、1点問題点があったのだと思う。
お好み焼きは、持ち運びに向かないのだ。
円形で、平べったくて、それなりの面積があるので。

おそらく、こんな注文があったのではないか。

客(労働者風):「おやっさんお好み焼き一枚、テイクアウトできんかね?忙しくてさ、ここで食ってく時間ないんだわ」
おやっさん:「いいけどよ、入る容器がねぇーから切り刻むことになるぜ?それでもいいかい?」
客(同前):「いやぁ、そりゃちょっと困るなぁ。いいや、また来るわ」

みたいな。

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 そこで、おやっさんは考えたんじゃないかな。
どうすれば、お好み焼きを気軽に、おいしく持ち運べるか。
もしテイクアウトできるなら店の席数を気にしなくていいから、売り上げも上がる。
お腹も膨れやすいから、急いでいる人、お腹いっぱい食べたい人には需要があるはずだ、と。

単に小さくすればいいようだけど、それだと容器に入れる時に一枚一枚が重なってしまう。重ならないようにすると、それなりに場所をとる。

そこで、試行錯誤を経て生まれたのが球形のお好み焼き!
一個が小さいので、急ぐ時にもささっと焼くことができる。形が定まっているので、おやっさんのような技術を持たない者でも簡単に焼くことができるというおまけ付き。
また、容器に入れる時にも重なることなく、ソースやかつお節、青のりなどもふんだんに振りかけることができる。
こうして誕生したのがたこ焼きの原形である「球形お好み焼き」なのだった。

仮説1の後日譚

ここから、ヴァリエーションが生まれるようになって現在の「たこ焼き」ができ、大阪名物として定着していく。
実はこのたこ焼き、なんと兵庫県からの逆輸入ヴァージョンだったのだ。

タコと言えば明石(あってる?)。
当時「球形お好み焼き」は巷で噂になり、兵庫県にまで広まっていた。
具材も色々なパターンがあったのだが、明石では名物のタコを入れたものが定番になっていた。
たまたま明石を訪れた大阪の「球形お好み焼き」職人がそれを食し、「これは最高の相性だ!」ということで、次第に大阪内で広まることになったのだと思う。

さらにさらに、実は「球形お好み焼き」が生まれる過程で「お好み焼きをロールする」というものも生まれていたのだけど、それは大阪で定着することはなかった。
それは西へ西へと流れ、その「ロール型お好み焼き」は「はしまき」として西の地方で親しまれるようになるのだった。(「はしまき」が関西以西であっているのか未確認)

仮説2.同時発生説

 お好み焼き戦後発祥説をとった場合、お好み焼きを焼く鉄板の不足という事態を想像しないわけにはいかない。
きれいなお好み焼きを焼くまっ平らな鉄板というものが満足に手に入らなかったかもしれないのだ。小麦粉は入ってくるのに。

おそらく、ちょっとでこぼこな鉄板があって、お好み焼き職人たちはそこでお好み焼きを焼くしかなかった。

比較的きれいな鉄板が手に入った職人たちは、いわゆる現在の「お好み焼き」を焼いていった。
逆にでこぼこの鉄板しか持っていなかった場合、焼くのには苦労したんじゃないだろうか。
一見うまく焼けているようでも、ひっくり返す時に生地が破れてしまう。

そこで編み出されたのが、鉄板をくぼませるという解決策!
凸凹なら、自分たちの都合のいい凸凹に変えてしまえばいいんじゃない?ということで、鉄板をわざとへこませていくようになったのだ。

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斯くして、「球形お好み焼き」が生まれたというわけ。
タコ?タコはきっと明石から大量に安く仕入れられた時期があって、「なんかよくない?」みたいな感じで具として定着したんじゃないかな。そのへんはわからない。

結びにかえて

以上、たこ焼きがどう生まれて、お好み焼きとどのような関係にあったのかということを推測してみた。
調べればわかるのかもしれないけど、調べずに想像するというのもなかなか楽しい。
そんな楽しさが、最近は少なくなってしまったなと残念に思う。
それで、こんな遊びを楽しんでみた。
本当のところを調べてみたい気もするけれど、しばらくこんな夢を見ていたい気もする。

普段考えているくだらない仮説を、これからもときどきアウトプットしてみようかな。